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メトセラと日本ライフライン、心不全向け再生医療等製品の 事業化に向け、業務提携契約を締結 | Metcela Inc.

メトセラと日本ライフライン、心不全向け再生医療等製品の事業化に向け、業務提携契約を締結

両社の製品開発・供給における協力体制を強化し、早期の製品上市を実現へ

株式会社メトセラ(代表取締役 岩宮 貴紘、野上 健一、以下「メトセラ」)と、日本ライフライン株式会社(代表取締役社長 鈴木 啓介、以下「日本ライフライン」)は、本日、両社間の心不全向け再生医療等製品開発における連携強化を図るため、業務提携契約を締結いたしました。両社は本業務提携に基づき、投与カテーテルと細胞製品によって構成される「MTC001」について、早期の臨床試験完了と事業化を目指します。

【MTC001の開発・上市に向けた連携のイメージ】

【本業務提携を通じて実現を目指す新たな心不全治療:MTC001】

 

MTC001はメトセラが開発した心臓線維芽細胞(VCF)と日本ライフラインが共同で開発した投与カテーテルで構成される再生医療等製品で、2020年度内の臨床試験開始に向けた準備が順調に進捗しております。メトセラはこれまでの基礎研究および非臨床研究を通じて、VCFが疾患部位の心筋細胞を増殖させることや、心臓組織の再生を促すことを明らかにしてきました。MTC001には、患者さまご本人の組織から製造する自家細胞製品を用いる予定で、自家細胞製品には、他人の組織から製造する他家細胞製品に対し、移植後の免疫反応の回避が可能で、より長期間の薬効維持と製品の反復投与を実現しやすい、という強みがあります。

メトセラと日本ライフラインは、投与カテーテルを用いて心不全モデルブタへの投与試験を繰り返し行っており、カテーテルを用いて投与されたVCFによって心不全モデルブタの心機能が改善することを確認しております。この投与試験では、カテーテルによるVCFの複数回投与が効果を更に高めることも確認しており、複数回投与においても免疫反応を生じにくい自家細胞製品と侵襲性の低いカテーテルには、事業上の高い親和性が見込まれます。

【日本ライフラインのカテーテル技術が適切な細胞投与に寄与】

VCFの投与はカテーテルを通じて経血管的に、心内膜から心筋組織に細胞を注入し行われます。これまでの細胞製品で必要とされてきた開胸手術が不要であることから、MTC001の医療現場への導入におけるハードルを大きく引き下げることが期待されます。さらに過去の実験において、適切な部位に正確かつ確実に細胞を投与することが、高い治療効果を引き出すうえで極めて重要であることを確認しております。日本ライフラインは、不整脈の診断・治療用カテーテルの開発・製造において高い技術力を有しており、優れた操作性を有する投与カテーテルと確実な細胞注入を可能とする高機能な注入針を開発することで、VCFによる治療の実現性を高めることに貢献しております。

 

【日本ライフラインは、自社の有する不整脈治療の経験を生かし新領域への展開を目指す】

日本ライフラインは心臓ペースメーカーや不整脈治療用のカテーテル等を取り扱っており、心臓循環器領域で約40年の経験と実績を有しております。VCFという画期的な細胞と高度なカテーテル技術が組み合わされることによって、従来にはない細胞治療製品の実現が期待できるとともに、医療機器メーカーとしても再生医療という新たな領域への展開が期待されます。

 

【各社のコメント】

日本ライフライン 代表取締役社長 鈴木啓介 コメント:

細胞治療において高度な知見を有するメトセラとの協力関係の構築によって、当社が長年にわたって不整脈治療領域で培ってきたカテーテル技術について、再生医療製品への活用という新たな可能性が開きました。既に同社とは共同研究開発や資本協力等を通じて、製品化に向けた準備を進めてまいりましたが、今回の業務提携を契機として、製品開発に一層の拍車をかけることで早期の事業化を目指してまいります。

メトセラ 代表取締役 Co-founder, Co-CEO 野上健一 コメント:

日本ライフラインとの業務提携を通じ、VCFの投与にカテーテルを用いることで、患者さまの負担軽減や、複数回投与の実現を展望することが可能となります。同社は当社の主要株主でもあり、心臓カテーテルの開発における豊富な実績や幅広い医療機関との深いリレーションシップを有することから、同社との緊密な連携を最大限に活かし、MTC001の事業化やグローバル展開を早期に実現してまいります。

 

【心不全について】

「心不全」は心臓の機能が低下して十分な量の血液を送り出せなくなる心臓の状態を指し、依然として根本的な治療法が存在しない一方、高齢化の進展などにより患者数は増加の一途を辿っています。そのため、低下した心機能を回復させる治療法や、心移植を代替する治療法の開発が急がれています。

 

【メトセラの開発した線維芽細胞「VCF」について】

メトセラは近年の研究を通じて、同じ臓器の中に様々な種類の線維芽細胞があること、その中でも心機能の回復に特に適した線維芽細胞群(VCAM-1-positive Cardiac Fibroblast, “VCF”)が存在することを明らかにしました。VCFは培養が非常に容易で低コスト製造が可能でありながら、心臓内でのリンパ管新生や心筋細胞の増殖を促進し、ダメージを受けた心組織の回復を促す力があることが分かっています。メトセラはVCFに関する発明について特許を取得しており(特許第6241893号、特許第6618066号)、これらの技術を活用した再生医療等製品の提供を実現してまいります。

 

■メトセラについて

本社: 山形県鶴岡市
研究所所在地: 神奈川県川崎市川崎区殿町3‐25‐22 ライフイノベーションセンター
代表者: 代表取締役 岩宮 貴紘、野上 健一
設立日: 2016年3月9日
ウェブサイト: https://www.metcela.com/
事業概要: 心不全向け再生医療等製品の研究開発

 

■日本ライフラインについて

本社: 東京都品川区東品川二丁目2番20号
代表者: 代表取締役社長 鈴木 啓介
設立日: 1981年2月6日
ウェブサイト: https://www.jll.co.jp/
事業概要: 医療用機器輸入・製造および販売

 

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メトセラと日本ライフライン、心不全向け再生医療等製品の 事業化に向け、業務提携契約を締結